思考の道場

答えのない、問いのまわりをぐるぐると。

作品レビュー

ananの話。不安は具体的に行動するか、次元をずらすかどちらかで解消しよう

anan (アンアン) 2017/02/08[あなたの不安解消BOOK] 出版社/メーカー: マガジンハウス 発売日: 2017/02/01 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る こんばんは、沙妃です。この間ふらっとセブンイレブンに入ったら、ananを発見。ananは数えるくらい…いや…

小説がもたらす開放感はどこから来る?柚木麻子『本屋さんのダイアナ』と、村上春樹『恋するザムザ』を読んで

小説がもたらす開放感ってどこからくるんだろう。ハッピーエンドでもご都合主義でもない、でも目の前がすっと開けるような、開放感。目線や次元をずらすことで起きるんだろうか...と、柚木麻子「本屋さんのダイアナ」を読んで思う。一気に読めて面白かったけ…

憧れの克服と、一歩踏み出した久美子の成長と―『響けユーフォニアム』1期&2期10話までの感想・考察

#anime_eupho 響けユーフォニアム2の10話、すごくよかった、、なんて言うと陳腐すぎる表現だけど、個人的に一期と合わせた中でもベストだった。演出、構成、この回がクライマックスになるような話の持っていき方。久美子が「感情を爆発させた」ことの成長の…

ハリポタファンは必見。父と子をめぐる物語―「ハリー・ポッターと呪いの子」感想/考察

ハリーポッター8作目「呪いの子」読了。脚本形式だから最初は入りづらかったけれど、途中からはすっかりポッターワールドへ。3組の父と子をめぐる話だった。ミステリー調の構成や、魔法をめぐるトラブルは相変わらずでハラハラ。ハリーポッターは中毒性があ…

変化への、一歩を。「たまこラブストーリー」映画感想/考察

不安、不安、不安。何が不安かって言うより、不安というその感情自体がキライ。 今の時代は、先行きが不透明で不安になりやすい時代だと言われています。先行きが不透明ということは、この先どうなるかわからないと言うこと。つまり、今までと同じじゃなくて…

すぐそばに、あるもの。生死をめぐる「海街diary」漫画考察(&「ノルウェイの森」)

漫画のレビューが続きます。今回取り上げるのは、吉田秋生「海街diary」。 海街diary 7 あの日の青空 (フラワーコミックス) 作者: 吉田秋生 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2016/01/08 メディア: コミック この商品を含むブログ (29件) を見る 「死」はど…

食卓は、家族の象徴で。「Bread&Butter」漫画感想と考察(ネタバレ有)

最近、ごはん漫画?グルメ漫画?って多いですよね。TSUTAYAの漫画にも、グルメ漫画コーナーって言って一角できているし。 私は現実世界では全然グルメではないけれど、食に関する文章は好きで、そちらの方が食指が動く。というわけで、グルメ漫画にも手を伸…

「レッドタートル」映画考察-あなただけのために、存在する映画

映画レッドタートル鑑賞。本当に台詞が無かった。誰が見てもわかる話で、それをそのまま受け取るのかそうじゃないのか、受け取り方をすごく考えさせられる作品。静かで美しい映画のはずなのに、どこかぞっとするほど不気味なのはなぜだろう。観客に委ねられ…

「聲の形」映画感想/考察と、監督インタビュー集-「顔を上げる」ということ

「聲の形」鑑賞。これは障害でも恋愛でも青春でもなくて、一人の男の子が「顔を上げる」までの話。どうしようもなくすれ違ったり、理解し損ねたり、傷つけたりする描写は、カタルシスとは正反対のところにあってある意味で圧巻。絵はもう見ていて快感になる…

【Webエッセイ】その瞳で食べられたら、いいのに。

秋の夜長には、エッセイが読みたくなる。のかどうかはわからないけれど、定期的にエッセイが読みたくなる時期があり、だからここ最近は書く方も、めっぽうエッセイめいたものになってしまっている。エッセイめいたものはなんだろう、パソコンじゃなくて、ス…

【Webエッセイ】数々の試練をくぐりぬけてきたのは、あなた。

引越しの多い、人生でした。生きてきた年数はそんなに長くないけれど、私は同じ場所に3年以上住んだことがない。だから住んだ場所の数は増えてく一方だったけれど、本の数は一向に増えなかった。引越しがしみついているのか、私は自分の部屋にいるとつい、次…

2016夏に見たアニメーション映画たち

最近ちょくちょくアニメ映画を見ているので、まとめてみました。アニメって子どもの頃見ていたドラえもんやコナンで止まっていたんだけれど、蓋を開けてみるとアニメってとっても面白い。実写よりも表現の幅があり、演出や描写に監督の個性が出るからです。…

【Webエッセイ】湿り気と、ぶんがく。/ 気候と文学は関係する?

風土や気候といったものと文学は、一体どういう関係にあるのでしょうか。

美しさと「狂気」は紙一重 ― 映画「風立ちぬ」考察

ジブリ映画「風立ちぬ」に関する考察。

シンプルなストーリーの細部に宿るもの。「フラニーとズーイ」と「たまこラブストーリー」

友人の万葉ちゃんがサリンジャーの「フラニーとズーイ」についてつぶやいていたので、私も再読したくなって手に取った。 サリンジャー『フラニーとズーイ』すごく、濃い小説。これは…?ってページ戻ったり、人物のそぶりに同感したりしてたら、読み終えるの…

【旅行エッセイ】 街に恋して

無性に旅行記が読みたくなる、ことがある。 世の中には旅好きの人がたくさんいてそういう人と比べると私は全然なのですが、遠くに行きたい願望だけは立派にあるみたいで、そういうときに旅行記が読みたくなります。 というわけで角田光代さんの「いつも旅の…

電線すら愛おしい / 新海誠「言の葉の庭」

ヨーロッパと言えば、の後に続くのは数あれど、そのうち早めに出てくるのが「綺麗な街並み」じゃないでしょうか。 ドイツも都市によりますが、古い町並みを残しているところはこっちが飽きるくらい建物の外観が統一されています。 翻って日本。特に東京をは…

自分をなくす 再考

自分をなくす、って聞くと、どんなイメージが浮かびますか。 ポジティブ、ネガティブ?いいこと、あんまり起こってほしくこと? 私はというと、ネガティブなイメージをもってしまいます。何だろう、本来の自分らしさを失ってしまう、みたいなイメージ。周り…

主体的でありつつも忘れたくないこと

よくよく考えるとよくわからなくなるもの。それは自分の主体性。 21世紀型の人間というとアレですが、これからの時代は自分で決めて切り開いていかなくてはならない、というのをたまに耳にします。正解がなくなって、選択肢が増えたから。 勿論そうだなあと…

物語を展開することと、遠くに行きたい願望

ここではないどこかに行きたくて、からだがむずむずする。 そんなからだを伴って、私はここ遠く離れたドイツにいます。 ドイツ語にFernweh(片仮名で書くとフェルンヴェーかな)という言葉がある。 Homesick(ドイツ語だとHeimwehハイムヴェー)の言わば対義語…

目で感じる日本語。耳で感じるドイツ語。

大学に入ったばっかりのころの、新しく出会う同級生との話題、覚えていますか? 私はサークル何にした?バイトしてる?どこの高校から来たの?どの授業楽?とかあるあるな話題ばっかりあったけれど、その中の一つとして、第二外国語何にした?がありました。…

日常にぬるりと入り込んでくるもの

子どもだったころ、怖かったものってありますか? 私は、祖母の家の、トイレまで続く廊下が怖かった。 離れにある、というほどには離れてはないけれど、子どもだった私にとっては遠く、電気のスイッチを押してから、とんとん、と明かりがつくまでがとても長…

静かな声が聴こえる場所

私が住んでいるドイツドレスデンは、静かな街である。 ドイツの日曜はお店が全部閉まるので、人通りも少ない。日曜の朝は車も人も通っておらず、時折路面電車が通る音が聞こえるくらいである。 雪がしんしんと降るよるはもっと静かで、あらゆる音をくるりと…

マンガ「orange」を本気で考察してみる。「後悔」という負の遺産。「母親像」の変化。(※ネタバレ感想有)

マンガ「orange」の考察。後悔という負の遺産をどう乗り越えるか、から、「母親像」の変化まで。

哲学書を面白く読む方法(というよりは一つのアイディア)

私は哲学書が上手く読めない。 上手く、というのは、きちきちっと論理的に理解して、それを後々の勉強に活かすということが中々できない。 まあつまり、素早く理解できない。し、読んだはなから忘れてしまう。私の頭はそこまで上手く哲学的にはできていない…

「間違えない」人生も、「間違った」人生もない。

よく、「後悔しないように今を生きよう」と言う。 正しい。過去にくよくよし、未来を思い煩う私はこの言葉に出会うたび、 はっと思い直し、そうだよ今しかないんだ後悔しないように生きよう、というか生きなきゃ、とまで思い直す。 背筋がしゃんとする。 で…

乾いた文体

乾いた文体が、好きだ。 パサパサした文体。 簡潔で、あっさりしてて、それでいて小気味よく、テンポよく。 感情をこまやかに描くのではなく、 行動の描写の反復で推し量る。 べたっとしたねばっこい文章も好きだったけど、最近専ら乾いた文体を読みたくなる…

ドイツ 冬

ドイツの冬は、長い。 大抵の日は曇っている。曇っている日の空は、同じようでよく見ると違う。 見ているこちらも気が滅入ってくるような、どこまでも続く曇りの日もあれば、 遠慮がちに青空が顔をのぞかせている曇りの日もある。 色という色を吸い込む鉛色…

恋愛以外の「耳をすませば」

ジブリ続きですが。 耳をすませば [DVD] 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 発売日: 2002/05/24 メディア: DVD 購入: 13人 クリック: 426回 この商品を含むブログ (418件) を見る 耳をすませば と検索すると、候補で「鬱」と出て…

魔女の宅急便と才能

意外にもちゃんと見たことがなかった、ジブリ、魔女の宅急便。 魔女の宅急便 [DVD] 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 発売日: 2014/07/16 メディア: DVD この商品を含むブログ (7件) を見る キキの「ほうきで飛ぶ」という魔女の特徴…

少女マンガと「人の弱さ」

久々に、昔読んだ少女マンガを読んでみた。 読んでみて、子ども向けだから、マンガだから、とあなどれないなと痛感。 子どもの頃好きだったマンガを読んでいて、ふと共通点が浮かび上がった。 それは、「人の弱さ」を描いている、という点である。 砂時計(…

映画の映像美

映画はあまり見ないけれど、図書館で借りられるので最近見るようになった。 私は小説に勝る媒体はないと思っていたのだが、井口 奈己の「犬猫」を見て衝撃を受けて以来、当たり前だけれど、映画には映画でしか表現できないものがあるんだなと実感した。 「犬…

村上春樹の文章

前に内田樹さんのどこかの本で、村上春樹は倍音を奏でる作家だと書いていたけれど、 「遠い太鼓」の一行目を読んで、これか!と合点がいった。 「その三年のあいだ、僕は日本を離れて暮らしていた。」 「その」というのは、既に自分と相手の間の文脈の中で…

孤独

孤独につつまれているかんじ。 ベルリン天使の詩に出てくる、主人公の最後の台詞が腑に落ちた。 芸術家は孤独なんだな。 全ての偉大な仕事には、孤独がある。 孤独はいいとか悪いとかそういうものではなくて。 空気みたいにわたしたちをくるんでいるもの。 …

オルテガ「大衆の反逆」  内田樹  メモ

知に働けば蔵が建つ (文春文庫) 作者: 内田樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2008/11/07 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 20回 この商品を含むブログ (40件) を見る 学びには、二つのタイプがある。 自分に+α型 無時間モデル 現在の自分に付加価値…