人文系の学生が、院に行くか悩んだとき。
人文系、いわゆる文学部にある学問とか芸術系の学問とか、そういうのを勉強している学生の悩み。
それは好きなことをやっていると食べていけない、でも食べていける仕事だと好きなことができない、という悩みである。
そんな悩みは具体的な悩み、つまり「院に行くか就職するか」という形で現れる。
経済とか法学部の学生はそれぞれ業界を研究したり専門職の資格を取ったりして就職し、理系の学生は院に行ってその後就職したりしているけれど……
さて、文学とか芸術とか哲学とか勉強してる自分は、どうするんだ?
と自問自答してしまうのが、人文系の学生である。
なんてったって、好きで勉強しているけれど、好きの先にある道が、見えにくいのだ。
私も本当に勉強が楽しくなってきて、大学入った当初は 考えていなかったものの、院に行きたくなって悩み始めた。
結局は辞める決断をしたのは、本が読めなくなるという状況になって、相当つらかったからだ。私は好きなことを本業にはしたくないと気づいてしまったからだ。
でも院に行くか悩んでいると話していたとき、周りには背中を押してもらうことが多かった。(背中を押してくれそうな人に無意識に相談してただけかもしれないが)
その中で印象に残っているのは、頭が柔らかくて、感受性が豊かで、身軽で自分のために時間が使える若いうちに、勉強しておいたら?と言われたこと。
若いとついつい自分の体力や集中力が一生このまま続くと思うけれど、そうではなくて、老いは必然的にやってくると実感した瞬間だった。時間は有限なのだ。
ただし私は、他の何かを捨ててでも、この道に進みたい!この世界で生きていきたい!と思えたら、行こうと思っていた。
そして私には、その「他の何か」を捨てることができなかった。院でアカデミックに勉強することよりも、自分にとって大事なことがあると気づいてしまったから。
私のように、人文系の勉強が好きで、院に行くか悩んでいる人が他にもいると思うけれど。
私は未練が残りそうなくらいだったら、院に行けばいいんじゃないかな、と思う。
私が諦めきれたのは、結果としては未練がなくなるくらいつらかった経験をしたからで、
その経験もきっと、勉強に集中した時期があったから訪れたのだと思う。
院に行くのは諦めたし、一般的な就職をするには何の役にもたたない勉強しかしてないけれど、
けれど追いかけたいテーマに出会えた、好きなように勉強できた、という経験は自分の中で光っている。
ちなみに院に行くのを諦めて、寂しくて悔しかったとき、この記事を読んで気が楽になった。
ついつい「院か就職か」と二択しかないような気になるけれど、そんなことはなくて、本当は院に行っても就職しても、どちらもたくさんの選択肢があるのだと思う。
そう思わせてくれた記事。
有料だけれど、筆者のチェコ好きさんは院→就職の道を辿っているので、どちらを選ぶとしても参考になるはず。
ちなみにこの記事では触れられてはないけれど、進路で迷っている高校生にもおすすめ。
院に行くから、就職するから、片方の道が終わってしまうわけじゃない。
ひとりひとりの、好きなことと上手く付き合っていく道があるだけだ。