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思考の道場

答えのない、問いのまわりをぐるぐると。

目で感じる日本語。耳で感じるドイツ語。

ドイツ生活 作品レビュー

大学に入ったばっかりのころの、新しく出会う同級生との話題、覚えていますか?

 

私はサークル何にした?バイトしてる?どこの高校から来たの?どの授業楽?とかあるあるな話題ばっかりあったけれど、その中の一つとして、第二外国語何にした?がありました。

 
一番人気は中国語、次にフランス語かドイツ語で、私はドイツ語選んだというと、「ドイツ語ってなんか強そうなイメージあるよね」とコメントされることが多かった。

可憐なフランス語選択の女の子に言われると、ちょっとそんなことないよとか思いつつ、「ん〜まあ確かにねえ」と一応の同意は見せる。
 
きっとヒトラーの演説のせいだ、と「ヒトラー 演説」でyoutubeをヒットさせたら、確かに力強い。
 
そしてそのイメージはバンコク共通みたいなのである。
 
見てもらえればわかるんだけれど、ドイツ語ってとにかく一単語が長い。
あとックとかッハとかヴァとかそういった、発音するときの顔がかわいくなさそうな音も多い。
 
でも普通に道行くお年寄り夫婦のドイツ語とかは、こんな強そうではなくもっと柔らかく、流れにのっている。

私はイギリス英語にすごく快感を覚えるのだが、ドイツ語はそこまでではない。

でもオーディオブックを聞いて以来ドイツ語も可憐…とまでは言わないけれど心地いいと思うようになった。
 
ドイツはオーディオブックが結構普及しているみたいで、本屋さんに行っても一角分きちんと設けられている。
 
それを見て思うのが、ドイツ語は(英語もだけど)「聞く言葉」なんだなということ。
聞く言葉ってなんだ?って感じだけれど、聞くことでその言葉の味がでる、という意味です。聞くことで、その言葉のリズムが味わえる。
 
私はドイツ語のAls(When)から始まる文のリズムが好きで、ドイツ人監督ヴィム・ベンダースによる「ベルリン天使の詩」という映画の冒頭が「Als das Kind Kind war...」(こどもがこどもだったころ…)という台詞なんだけれど、この言葉のリズムに鷲掴みにされた。

聞かないと味が出ないのは、アクセントや抑揚が重要な言語だからかなあと思っている。

この映画はTSUTAYAとかでも借りられるのでぜひ聞いてみてください。
 
対して日本語は、読んで味わい深い言葉だと思っている。

例えば「さみしい」という言葉一つとっても、
寂しい淋しいさみしいサミシイ、とひらがなカタカナ漢字を使いわけることができる。

これは声に出してしまうと一緒だけれど、文字にすると印象が変わってくる。
 
ちなみに私はいろんな種類の雨の名前や、花の漢字の名前にすごく快感を覚える。
五月雨(さみだれ)とか秋桜(こすもす)とか、これでこう読むんだ、というのも多くて楽しい。

赤ちゃんの名づけで楽しいのも(悩むのも)、音もそうだけれどどの漢字にするかじゃないかなと思っている。

私は赤ちゃんの予定もないのに本屋で名付け辞典開いて漢字眺めるのが好きで、表意文字である漢字ってすごいなあとか勝手に関心しているのです。
 
あと、日本語をしゃべっているときはそんなに意識しないけれど、書くときはどうしても気になってしまうものがある。

それは読点の位置。

そう、中学校の国語の問題で、「この文章に読点を入れて二つの別の意味をもたせる文章にしてください」というやつだ。
 
日本語は読むときのリズムを、読点で自由に変化させることができる。
ブログとかメールとかも最後の最後まで気になってしまうのがどこに読点を打つか、である。

リズムが変わってきて読み手に抱かせる印象がちがうので、文章書いている人は半無意識的にチェックされているんじゃないでしょうか。
 
…と書いてみたけれど、上記は私の個人的所感の範疇を超えていないので、
いやいや日本語は聞いても美しくてこのオーディオブックに胸をうたれたよ、いやいや文字のドイツ語(英語)も味わい深いよこの文章に快感を覚えたんだワタシは、というのがあれば知りたいです。
私も耳から日本語、目からドイツ語(英語)を味わってみたい。
 
 ちなみに何でこんな話をしているかというと、「武器としてのコミュニケーション」とか「使える英語」という「言葉は道具」論に違和感を覚えてしまうから。

言葉は道具論は正しい。確かに正しい。でも…という、どうにも拭えない違和感があるのである。でも上手く反論できない…ともやもやすることが多いので、視点を変えて考えてみました。

言葉って、武器とかツール以前に、そもそも人にとって心地いいものなんじゃないか、快感を抱くものなんじゃないかと。
 
そういう視点ですこうし、あなたが普段使っている言葉、見たりしてみませんか。
 
 
 
 
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