【Webエッセイ】 バッグにタグつけて。ブログに宛名つけて。
呪われたスーツケースって知ってます?
何度もなくなってしまうスーツケースのことです。
直行便にも関わらず、失くさないでねって念を押したのにもかかわらず、あの空港バゲージクレームの口から一向に出てこないスーツケース。
というのは飛行機に乗って、3回連続してロストバゲージになった知人の話で。
目立たないダークブルーで、名前も印もないスーツケースだからでしょうか、よく迷子になってしまうみたいです。空に浮かぶ無数のかばんに紛れて。
★★★
空ではないですが、インターネット上のコンテンツも、海に浮かぶ無数の泡に例えられてるのを見たことがあります。
日々毎時間、いや毎秒ごとに無数のコンテンツが発信され、そして消えていく。その様が生まれては消えていく泡と脳裏で重なる。
自分がインターネットで発信したものが泡となって消えていく…のはだから宿命かもしれませんが、願わくば消えるまでに誰かに届いていてほしい、と発信したことがある方は一度は思うのではないでしょうか。
小さい頃、海に投げられたメッセージ入りの小瓶に憧れたことがあります。誰に届くか、そもそも拾いあげてもらえるかわからないけれどまだ見ぬあなたに向けて投げられた、その小瓶。
ブログでの発信って、なんとなくこのメッセージボトルと重なりません?少なくとも泡よりはメッセージボトルでありたいものです。
私もこのブログやりながらこれを見てくれてる誰かに届け~と思ってるのですが、でもある程度書くようになって、漠然とした「誰か」よりも、特定の誰かを対象にした方が書きやすいしぶれないなあと思うようになりました。
そう思うようになったのも、以下のブログを読んだからでもあるのですが。
たぶん書きながらぼやぼや~と浮かんでくる気はするのですが、まだその特定の顔はベールの向こう側にあります。過去の私かもしれないし、10年後の私、私が生まれる前にいなくなったあの人、大学時代の友人、一番身近にいる人、かもしれません。これから具体的な人が現れるかもしれません。
上記の隠居系男子のブログで書かれてるように、「一人へ向けて書いたものを公開することで、より多くの人へ伝わる」ならば、それが私にとってはベストだなあと思うようになりました。誰にでも伝わる言葉って、実は誰にも届かない可能性も高いんですよね。
私たちが物語を読んで主人公の言葉にうたれるのも、それが特定の誰かに向けて発せられた言葉であるように。特定の誰かに発せられているからこそ、その分メッセージに込められたものは伝わるし、普遍性を帯びるのかもしれません。
ブログやってる方は、誰に向けて発信していますか?
★★★
ちなみに話は冒頭に戻るのですが、私は空港で荷物を預けるときは必ずスカーフを取っ手部分に結んでます。
そのおかげか、結構飛行機には乗ったけれど今まで一度もロストバゲージになったことはありません。少なくとも誰かに間違えて持っていかれることはないので、飛行機に乗る際はおすすめです。