思考の道場

答えのない、問いのまわりをぐるぐると。

【旅行エッセイ】 ポルトガルリスボンというまち

ベルリンから3時間半、ヨーロッパの最西端にポルトガルという国はある。

 
ポルトガルという国にイメージなんてなかった。言い方は悪いけれどスペインのおまけ、スペインの横にちょっとくっついた国。
 
でもイメージがわかないからこそ、スペイン行ったことないのにすっ飛ばしてここリスボンまでやってきた。
前にヴィム・ヴェンダースの「リスボンストーリー」を見てたから、予想していたのはドイツにはない、目が痛いくらいの真っ青な空。
でも旅行にはいつも何かが欠けているようで、迎えてくれたのは正反対の台風みたいな雨だった。
 
靴の中敷きの裏までぐっしょりとぬらし、おむすび落としたらごろごろ転がっていくくらい急な坂を登り降りしながらぼんやりと思ったのは、これが私の求めていた旅と呼べる旅行なんだろうか、ということだ。 
 
リスボンには坂しかない。坂、坂、坂。急な坂急な雨と厳しい条件なんだけれど、でも私はこの街が気に入ってしまった。もしかしたら恋になるかもしれない、とぼんやり期待しながら。(きっと続く。)
 

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