教会みたいな古めかしい建物のなかにこそ、よくわからない現代アートは映えるーードイツの美術館から。
こんばんは、沙妃です。二月に入って、ちょうど寒い時期。一年前の今頃は、人生で一番長い(!)3週間の旅行に出る直前でした。
留学していたドレスデンから出発し、バスで2時間のチェコの首都プラハ・チェスキークルムロフ、そこからオーストリアのウィーンにこれまたバスで入り、電車でハンガリーのブダペストに移動し、飛行機でミュンヘンに戻って来る...そんな(旅とは呼べない)旅行をしました。
旅行記的なのは書いていたけれど、案外まとまって記事を書いていなかったなというのと、写真を見ていたら懐かしくなったので、一年ぶりですが振り返り。
さて私の旅行のメインは美術館だったのですが、おもしろいなあと思ったのが、古い歴史を感じさせる美術館に、いまどき現代アートの展示がされていること。
その組み合わせが私には新鮮で、印象に残っているのを覚えています。日本だと古い美術館には趣のある日本画だったり、モダンな建物には現代アートと、なんとなく相場が決まっているかんじが、それまでの私の印象でした。
こちらはウィーンにある、オーストリア応用美術館。教会みたいに天井が高くて古めかしい建物なんですが、入り口を入るとびっくり、いきなりこのででんっとでかい現代アート?が出迎えてくれました。
「EVERYBODY ALWAYS THINKS THEY ARE RIGHT」
人の幸せとはなにか、今幸せを感じるか、そういうのを可視化しようとしていた現代アート。
「幸せになるヒント」みたいなガチャガチャがあって、それをまわすと幸せになるヒントが書かれたカードが落ちて来るんですが、私のは「Go Home and Have a Sex」でした。
なんだか妙に現代アートっぽい。
こちらはチェスキークルムロフという、チェコの小さい観光地。街並みがこぢんまりときれいで、アジア人観光客に人気のよう(私が行ったときは韓国人が多かった)。
こんなレトロな街に現代アートは特に期待していなかったのですが、街をぶらぶら歩いていると、こんなものを見つけました。
「鏡よ鏡、世界でいちばん美しいのはだあれ?」
「写真の中の幸せはホンモノなんかじゃない」
ストリートアートを発見。写真とスマホとインスタに夢中な現代人を思いっきり皮肉ってます。
なぜか日本語を発見。これは一体何人がつくったのだろう。綴りがローマ字なんですよね。
これはプラハの現代美術館の外にあった作品。
作品というか、黄色いペンギンがどどどっと並んでいる。
対岸にはチェコの歴史的街並みが広がっているから、それとビビッドなペンギン列のコントラストが際立っていました。
これはドレスデンにある、小さい現代美術館。
入ったらこんなぼろっちいと言っていいような古めかしい建物(失礼)で、こんなところで展示なんてやっているのか・・・?というかんじだったのですが、二階に上がったらちゃんとビデオアートを上映していた。
ひたすら世界中のドアから出てきてドアへと消えていく、男の1日を撮った映像が、蜂の巣みたいにスクリーンにいっぱい映っていた。
え、ここ美術館…?ってくらい古めかしい建物と、うーんこのわけのわからなさが現代アートっぽい、っていう作品の組み合わせ。
コントラストが絶妙だから、どちらも引き立つ。そのギャップに惹きつけられる。
何かを仕事にするときって、掛け算をすればいいって言われることがありますよね。
営業マンだけだとたくさんいるけれど、英語がしゃべれたらその分掛け算でライバルが減る、加えてアラビア語がしゃべれたらもっと希少価値は上がる。
そんな組み合わせの妙を、ヨーロッパの美術館から感じた旅でした。
それでは、また。