【旅行エッセイ】 街に恋して
無性に旅行記が読みたくなる、ことがある。
世の中には旅好きの人がたくさんいてそういう人と比べると私は全然なのですが、遠くに行きたい願望だけは立派にあるみたいで、そういうときに旅行記が読みたくなります。
というわけで角田光代さんの「いつも旅のなか」を手に取った。
けっこういろんなところに行かれてるようで、ロシアからキューバそしてもちろん東南アジアとよりどりみどりの国々が出てくる。
その中でも印象深かったのが、はつ恋と冠がついた、タイ。
タイではつ恋の人に出会ったのではなくて、タイという国に惚れてしまったようで、その後ずっとタイの面影を求めて旅に出ることになったとか。
その様が、はじめての男が忘れられなくてその後ずっとその面影を他の人の求めてしまう恋と重ねられています。
私はこれを読んで素直にいいなあと思ってしまったわけですね。
いや、はつ恋が忘れられないのはつらいしそんなのやだけれど、その土地に恋したといえるくらい、どこかの場所を好きになってみたいものです。
恋をしたとまでは言えなくとも、ある国や街が気に入って何度も訪れたり、そこに住んでしまう人はまあまあいるわけで。
私は飽きっぽいからか、貧乏性だからか、旅行で同じ場所にリピートしたことって皆無に等しい。
どこかに旅行してても、そこでもう次どこ行こうかなーと考えてる始末。
今まで引っ越しが多かったからかそもそも土地に対する愛着があんまりないので、どこかに旅行するときは必ず、この土地にほれないかなー移住したくなる街に出会わないかなあと期待しています。
でも恋にはまだ至りません。私のはつ恋はまだ先のようです。
次こそは、とほんのり期待して今日も私は旅(とは呼べない旅行)にでる。
ところでリピートする国だけを集めた旅行中とかってないんでしょうか。
あったら読んでみたいものです。
あなたの惚れてしまった街は、どこですか?