思考の道場

答えのない、問いのまわりをぐるぐると。

Webエッセイ

【Webエッセイ】本の匂いにつつまれて

私の大学の図書館は主に地下に書架があって、階段をとんとん降りて地下二階に行くと、ふわ~と本の匂いが鼻をくすぐる。その瞬間私はなんだかくすぐったい気持ちになる。つんとした古い、紙の匂い。 ドイツに留学してたときの授業のない時間は、大体学校の図…

【Webエッセイ】走ることのドラマ性

ハチ公のハリウッド映画版を見た。そう、たぶん日本一有名なあの犬についての映画である。結構ハチ公の視点で描かれているからか、素直に見て思わず泣いてしまった。何と言ってもハチ公が迷いなく飼い主であるリチャードギア(役名忘れた)のもとに走って行く…

【Webエッセイ】料理についての一考察

日々生きていくなかで最も必要なものって睡眠と食事だけれど、さて睡眠は睡魔が襲ってきたときに貪ればいいものの、食事はそうは行かない。買ってくるなり食べに行くなりつくるなり、睡眠に比べるとやや能動的に動く必要がある。料理は人類が今日食べること…

【Webエッセイ】淡々と、その言葉を。

言葉、ことば、コトバ。人が人へ、紡ぐもの。ひっそりと咲く花のごとく、そこにそっと佇むもの。言葉は人を傷つける。自分を縛るし、相手だって縛ることがある。一生あの人の一言が忘れられないこともある。言ったことの根拠や具体例を示せと言われて、ぐっ…

【Webエッセイ】その瞳で食べられたら、いいのに。

秋の夜長には、エッセイが読みたくなる。のかどうかはわからないけれど、定期的にエッセイが読みたくなる時期があり、だからここ最近は書く方も、めっぽうエッセイめいたものになってしまっている。エッセイめいたものはなんだろう、パソコンじゃなくて、ス…

【Webエッセイ】数々の試練をくぐりぬけてきたのは、あなた。

引越しの多い、人生でした。生きてきた年数はそんなに長くないけれど、私は同じ場所に3年以上住んだことがない。だから住んだ場所の数は増えてく一方だったけれど、本の数は一向に増えなかった。引越しがしみついているのか、私は自分の部屋にいるとつい、次…

【Webエッセイ】ハグとか、キスとか、握手とか

世の中にはいろんな人がいる。なんて、そんな古くさい言い回し、使うつもりなんてないけれど。でもやっぱり、そうとしか言えないときもある。ドイツに行っていたとき、私の周りにはスペインとかイタリアとか、いわゆるラテン系の人たちが多かった。彼らは会…

【Webエッセイ】 本にはさまれている、様々なるもの

なにか読みたいなあって思ったとき、あなたは本を買いますか?それとも本を借りますか? 私は本を買うことの方が多いのですが、大学の図書館があるので高い本なんかは借りています。貸本はカバーが剥ぎ取られていて、目で楽しめる要素は少ないのですが、その…

【Webエッセイ】湿り気と、ぶんがく。/ 気候と文学は関係する?

風土や気候といったものと文学は、一体どういう関係にあるのでしょうか。

【Webエッセイ】東京というまち。

東京に戻ってきて改めて、時間の流れがはやいなあと感じる。歩いているとどんどん抜かされるし、エスカレーターでもたくさんの人が隣を過ぎ去っていく。流れにのるのは簡単で立ち止まるのは難しいって思っていた。けれど自分の内側の流れを意識すれば、そん…

【Webエッセイ】 視野なんて広がらないのだから。

すいか、花火、下駄響き。 風鈴の音色に、日暮れのそよ風。 夏はどうも、ノスタルジックな匂いがする。 夏の空は高い。この辺には高い建物なんてないから、ふと顔を上げて腰を上げて目線を上げると、そこには私の視界を超えた空が広がっている。 下ばっかり…

【Webエッセイ】 身の回りのものを、柔らかな視線で包んでみたい。

永遠に続くかと思われた冬(誇張表現ではない)がやっとその終わりを見せてきた、ドイツ。 留学生活も残り三か月を切って、そろそろカウントダウンが始まったかな、という頃。 やっとやっと、身の回りが春めいてきました。 新緑が目に柔らかな視線を注ぐ中、…

【Webエッセイ】 言葉の檻に、閉じ込められて

何気ない日常に、ふとぬるりと入り込んでくるもの。 私はそういう話が好きです。ホラーは苦手なのでホラー的な意味合いはありませんが。 chikichiki303.hatenablog.com この間トラムをぼーっと待っていたのですが、ふと隣の小さな男の子がお母さんに話しかけ…

【Webエッセイ】 バッグにタグつけて。ブログに宛名つけて。

呪われたスーツケースって知ってます? 何度もなくなってしまうスーツケースのことです。 直行便にも関わらず、失くさないでねって念を押したのにもかかわらず、あの空港バゲージクレームの口から一向に出てこないスーツケース。 というのは飛行機に乗って、…

【Webエッセイ】 あなたに笑いが訪れますように

日々の他愛無いはなしの中で、誰しも苦手なネタに遭遇することがあると思うのですが、私にとってその最たるものはお笑いとかバラエティです。 テレビがないということがまあ最たる外的要因ではあるのですが、かと言ってyoutubeとかでも見ることはありません…

【Webエッセイ】 人間は好きですか

人間など嫌いだ なんて言ってみたい。 私は結構、山奥に籠った仙人みたいな人とか、図書館に一人もぐってひたすら研究してる人とか、田舎に引っ込んでこりこり小説書いてる人とかに憧れます。 一人でのんびりするのは好きだし、去る者追わず来るもの拒まずと…

【Webエッセイ】 頭半分、本にとられ

普段カタイものを書いていると、ふとやわらかいものについて書きたくなりません? 私のブログはそれなりに毎回テーマを決めて書いてるので、たまに中身のないものについて書きたくなります…というわけでこの記事はエッセイ的ななにかと名付けてみました。 で…